日本の住宅の寿命は、どの位でしょうか。
少し古いデータですが、平成8年版建設白書によると、各国住宅平均寿命は、以下の通りです。
- 日 本 26年
- アメリカ 44年
- イギリス 75年
日本の住宅寿命は、諸外国と比べ破格に短いことがわかります。
なぜ日本の住宅の寿命は短いのか
日本の住宅の寿命が短い理由を、耐久性の問題と捉えている記事を良く目にしますが、多くの場合、耐久性の問題ではありません。
日本の住宅の耐久性が十分なわけではありませんが、26年で寿命が来て住めなくなってしまうわけではありません。
物理的に老朽化して住めなくなる前に、別の理由で壊されていることが問題なのです。
日本の住宅寿命が短いのは、耐久性以外の理由があります。
欧米の事情と比較しながら、理由を考えてみましょう。
生活環境の変化:家が生活に合わなくなる
欧米では、子供は成人すれば親から独立します。
日本のように、子が結婚して親と同居する習慣がないので、二世帯住宅は普通ありません。
住宅に住む家族の単位は、夫婦+子供と、基本的に一世帯なので、一つの住宅で世帯数が増えるような、大きな変化は少ないです。
子世帯と同居
日本では、核家族化が進んだと言われて久しいのですが、親夫婦と子世帯が同居する二世帯住宅は少なくありません。
子家族が一時的に親と別々に暮らしても(核家族化)、いずれは同居する、というケースも多く、子家族と同居する高齢者が約5割です。
一世帯~二世帯=夫婦2人だけ~大家族と、家に住む人数、世帯数の変動が大きいのです。
欧米と比べ、ライフスタイルの変化が大きく、「家が生活に合わなくなる」ことが起きやすいのです。
昔の日本家屋は、とても柔軟にできているので、ぜいたくを言わなければ、住民人数が増えても生活することはできました。
しかし、壁で細かく小割にされた戦後の洋式の家を二世帯化するには大改造が必要となり、結局、建て替えられることになります。
今までの住宅では、生活の変化に家が対応できないのです。
住宅寿命が短いその他の理由
日本の住宅寿命の短い理由は、他にもさまざまな理由が考えられます。