自然を取り入れる
外部に開放的な家は、気持ち良いものです。
大きな窓があると、開放的な家となり、内部と外部が一体に感じられます。
内と外をつなげる
アメリカの典型的戸建て住宅では、家は道路からセットバックし、道路と家の間の庭が特徴的です。
フロントヤードとバックヤード
芝生に覆われ、道路との境に塀のない開放的な庭で、フロントヤードと呼びます。
道を歩く人を楽しませてくれる、半パブリック(私有地ですが)な庭です。
フロントヤードは象徴的ですが、実は家の奥にもっと広く豊かな庭が隠されています。
この庭はバックヤードと呼ばれ、オープンなフロントヤードと対照的です。
高い塀や植栽で囲い、プライバシーが重視された閉鎖的な庭で、道路からは見えません。
プライベートな庭としてテーブルやイス、バーベキュー設備などが置かれ、家族、親しい客と過ごす快適空間です。
プライベートなバックヤードでは、周囲からの視線がコントロールされています。
従って、バックヤード側の面に大きな窓を開け、「内と外をつなげる」ことで、自然を取り入れることができます。
内と外をつなげると、室内側も庭側もとても心地良い空間をつくることができます。
内と外をつなげる庭は、フロントヤードのようなパブリックな庭では困ります。
道路から、室内までが丸見えになってしまいます。
アメリカのように、広大な敷地ならともかく、日本の狭い敷地では、まずプライベートな庭を充実させることが大切です。
プライベートな庭:中庭
無理なくプライベートな庭をつくるのが中庭(コートハウス)です。
中庭は、庭の回りを自分の建物で囲うので、周辺からの視線をカットすることができ、快適でプライベートな庭を作ることができます。
室内から庭を見たとき、庭超えに自分の家の部屋が見えるのも気持ちよいものです。
中庭は、世界各国に存在します。
ヨーロッパのアトリウムやパティオ、教会やモスクにも中庭があります。
日本では、京町屋で中庭が効果的に使われています。
狭い庭ですが、プライベートな庭として心地良い空間をつくっています。
庭は地面だけでない:バルコニー、屋上庭園
都心、高い建ぺい率の地域では、落ち着いたプライベートな庭の確保が難しいことがあります。
一応の庭が作れても、回りが高い建物で、昼間でもうす暗くなってしまうこともあるでしょう。
庭は、「地面の庭」だけではありません。
バルコニーや屋上に、快適な庭をつくることができます。
地盤からの高さが高くなると、プライバシーを確保しやすくなります。
水平に見られたり、見下ろされるより、見上げられる方が視線が気になりません。
道路に開放的な家は、1階ではプライバシーが気になりますが2階以上なら可能かもしれません。
周辺環境によっては、バルコニーや屋上庭園の方が、地上の庭より、豊かな庭をつくることができます。
バルコニーを「庭」にするには奥行き寸法の確保が必要です。
半間程度の奥行きでは、物干しスペースにしか使えません。
庭としてのバルコニーは、くつろぐためのスペースですから、1間以上の奥行きで、部屋としてのプロポーションがほしいところです。
屋上緑化
夏は太陽が鉛直に近い方向を通るため、屋上の暑さは過酷で、屋上の下の部屋は暑くなります。
屋上緑化は、視覚的な癒しだけでなく、下階の熱負荷を大きく下げる効果が期待でき、是非利用したいものです。